【ツレがうつになりまして。】はうつのひとにこそ見て欲しい映画だ。
お題「#買って良かった2020 」
わたしはちょうど一年前の冬に脳みそがクラッシュしてしまった。
脳みそがクラッシュしてしまうとどうなるかというと文字が読めなくなるのだ。
文字が読めなくなるということは本が読めなくなるということで、
活字を読んで情報を得て生き延びてきたわたしにとって完全に死活問題だった。
そこで役に立ったのがYouTubeとアマプラだった。
※アマプラ=言わずと知れたAmazon Prime Videoのこと
うつ状態とはいえ、意識はある。
頭が枕から離れないのでスマホを布団のなかに持ち込み、
ひたすら映画やらアニメやら動画やらを眺めた。
初めてのうつ。
先の見えない恐怖からわずかでも解き放ってくれた映画がこちら。
宮崎あおいさんが“売れない漫画家”の奥様:ハルさんで、
堺雅人さんが“生真面目なサラリーマン”の旦那様:ツレなのだが、
このツレがうつになってしまうところから物語が始まる。
生真面目なひとがなりやすいと言われるうつ。
堺雅人さん演じるツレがみるみるうつになっていく様子はあまりにリアルで、
己の実体験との合致っぷりに布団のなかでボロボロ泣いた。
なによりいちばん泣けたのは、ツレがハルさんに怒られて、
冷たいシャワーを浴びながら首を吊ろうとしたところだ。
自分自身がつらいのに、それを誰かのせいにできないツレ。
自分のせいで誰かをつらくしてしまっていることが悲しいツレ。
それを理解しているのに理解してもらえないツレの圧倒的孤独。
まさに今、自分が体験している感情のすべてをツレが表現してくれている。
それは救いにも似たカタルシスで、ひとりぼっちの布団の中でひたすら泣いた。
うつは孤独な病気だ。
理解者がいてもいなくても、今、自分が戦っているうつのつらさは自分にしか分からない。
うつを経験したわたしのつらさと、ここにたどり着いてくれたあなたのつらさはきっと違う。
理解はできない。
けれど、歩み寄ることはできる。
つらいよね。
映画見よ。映画見て、アニメ見て、YouTube見よ。
あとはおくすりのんで、たくさん寝てください。
明日、起きたら朝日を見てください。
少しでも朝日がきれいだったら、またいちにち生きてください。
しにたくなったら、またこの映画を見てください。
そういう人生があっても、わたしはいいと思う。